金龍堂薬局/神奈川県横浜市港北区・漢方薬・漢方相談・漢方薬局・気功 -- 癌(ガン)について
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癌(ガン)について   

癌についての御相談がよくあります。ここでは癌について考えてみます。 
このページを一通り読んだ後に 他のページを参考にして頂ければ幸いです。

参考・お薬などだけでなく、本人の精神的な心による作用を理解して治療に取り組むことも、とても大切なこだと考えております。⇒1.

参考・他のページ「一つの考え方、事例として」→病気とは何だろう?末期癌から生還したある人の言葉から学ぶ。⇒ 2. 

がんについて

がんとは人体を構成する正常な細胞が発がん性物質や放射線、ウイルスなどの影響を受けることで、突然変異を起こし異常細胞に変化してしまう病気で、正常細胞の遺伝子のがん化をきっかけとして細胞の分裂を繰り返し腫瘍化していく病気だと言われています。
日本人のがんによる死亡率は1981年に心臓病、脳卒中をぬいてトップになり、その後も年々増え続け、現在は2人に1人が、がんにかかり、全死亡者の3人に1人が何らかのがんでなくなっていると言われています。

しかし、人にがんが発症しない理由があると言われています。

実は、この遺伝子の異常からのがん化は、何らかの理由で常に発生しているといわれていますが、少数のがん細胞であれば、がん細胞が大きくなる前に排除されていると言われています。これは、これらの異常を治す働きである 自己免疫機能 が適切に維持されていることだからだと言うことなのです。ここが、がんを予防治療する上でも忘れてはならない部分だとも思えます。

前がん状態・早期がんは:
この 自己免疫機能が弱っていたり、発がん性物質や発がん性促進物質 などが影響することによって変異を起こした異常細胞が、がん細胞になっていきます。

進行がん・末期がんは:
一度成長してしまったがん細胞が、どんどん細胞分裂を繰り返し増殖し続け、正常な細胞の栄養を奪い取りながら、浸潤していき他の臓器へも転移していきます。
西洋医学

癌は早期発見、早期対応が必須条件だといわれています。西洋医学は優れた診断技術により早期発見が飛躍的に進歩しています。 40歳になったら、加齢によるリスクを考えて人間ドックなどでかかさず定期的に健康診断をすることが大変重要なことです。

最新診断技術には:
ブルーレーザー診断(蛍光内視鏡)、超音波3次元内視鏡、ヘリカルCT、PETスキャン、フォトフリン(光感受性薬)、低放射線量CT、腫瘍マーカー、MRIなどすぐれた診断技術があります。

    
放射線療法:
腫瘍の成長を遅らせるために、あるいは縮小させるために放射線を使用する治療法です。がんに侵された臓器の機能と形態の温存が出来ますまた、がんの局所療法であるため、全身的な影響が少なく、高齢者にも適応できる患者に やさしいがん治療法だといわれています。放射線治療に用いられる放射線の種類には、X線、γ(ガンマ)線、電子線などがあります。放射線治療の利点は、手術によって切除することなく、がんに対して治療効果を期待できること で、臓器をそのまま残したり、臓器の働きをがんになる前と同じようにしておけることです。がんの種類によって放射線治療の効果は大きく異なり、治療の場所などによって副作用の起こり方もさまざまです。 副作用としては、がん局部周囲の正常細胞も傷害されるため、後遺症が残る場合 もあります。病期などでわかるがんの状態、体調やこれまでの治療の内容などをもとに、放射線治療を行うかどうか、どのように行うかについて検討されるものです。

手術:
癌のかたまりを外科手術で取り除くこと、それが癌治療の基本ですが、1億個から1兆個にも達することもある癌細胞を一度に除去する方法は、ほかにはないということです。外科手術によって癌をを切り取る技術も日々進歩しており、体力の消耗がおおきかったり、リスクが付きまとうとしても、痛みが軽く、早期に回復する技術が進歩しつづけているのです。
予防のための手術、診断のための手術、治療のための手術があり、内視鏡手術、3次元画像システム、レーザー治療、ロボット手術、遠隔手術、マイクロサージェリー、放射線治療や化学療法(抗がん剤による治療)や切除手術も併用したりし、日々進歩しています。

現代西洋医薬では:
アルキル化剤、代謝拮抗剤、植物アルカロイド、抗生物質、プラチナ製剤、分子標的薬剤、インターフェロン、ホルモン剤、などがあります。

新しい抗がん剤としては:
抗体製剤、酵素阻害剤、DNA薬剤、血官新生阻害剤、などがあります。

これらの医薬界の研究も日々進歩発達を続けており、いつか現代科学がガンの特効薬をつくる日を待ち望んでいる方達も大勢いることと思います。

しかし、これらのすばらしい抗がん剤も主作用・効果の裏に、必ず副作用があるわけです。ガン細胞を破壊するくらい強いことは正常の細胞にも影響を与えやすくなります。ガン細胞にだけ攻撃をし、正常細胞には影響を与えない薬の開発や使い方の工夫がいろいろと研究されているところです。

免疫療法:
がん治療における三大がん治療法の 「放射線療法」、「外科手術療法」、「薬物・化学療法」に加え第四の「細胞免疫療法」が期待されています。免疫とは、体の中に侵入した異物を排除するために、誰もが生まれながらに備えている能力です。この免疫能力を高め、がんの治療を目的とした免疫療法を「がん免疫療法」といいまが、三大がん治療法(放射線・外科手術・抗がん剤)が外部からの力を借りてがんを治療するのに対し、免疫療法は体がもともと持っている免疫力(免疫細胞)を活かしてがんと闘います。免疫療法は、自分自身の持つ免疫力を使った治療なので、体力があり免疫の働きも衰えていない病気の早い段階で使うと、より高い効果をあげることも知られています。また樹状細胞ワクチン療法やペプチドワクチン療法など一部の免疫療法では、他のがん治療に比べて副作用の報告が少ないこともメリットです。手術・抗がん剤・放射線といった標準療法と組み合わせて同時に行うこともできます。


抗がん剤の問題点
  • 骨髓抑制: 造血細胞がダメージを受け、新しい血球を作り出せなくなる状態、血球が減少し、細菌やカビの感染する危険性がでてくる。血小板減少により出血がおこる危険性がたかまります。貧血も起きてきます。抗がん剤でがん細胞を縮小させてもこの副作用が強くあらわれると、抗がん剤の使用が出来なくなってきます。結局がん細胞を攻撃できなくなるケースもあります。

     
  • 吐き気、嘔吐: 患者に大きな苦痛を与えそれ以後の治療を困難にすることもありましたが、最近は薬(セロトニンH3ブロッカー)で吐き気、嘔吐のほとんどを防ぐことが可能になりました。

     
  • 口内炎: 口の粘膜を損ないやすく口内炎ができ、痛みのため食事を口からとりずらい栄養不良に陥りやすくなる。二時感染により悪化することもある。

     
  • 脱毛: 抗がん剤は新陳代謝の盛んな細胞を攻撃する傾向があり、毛根にある毛母細胞を攻撃してしまい、髪や体毛が抜け落ちる。

     
  • ガン細胞の薬剤耐性: ガンは変異を繰り返して、しだいに抗がん剤に強くなる抵抗力をもつようになる。これは癌の治療効果を上げるうえで最大の障害といえます。

当初は抗がん剤が効果を示しても、最終的に患者が治癒に至るのが少ないのは、がん細胞が何度も抗がん剤にさらされているうちに耐性を得て以前に効いた薬に抵抗力ができ、効かなくなってくるからで、最初は患者が治癒に向かうように見えても結果的にガンは治らないことになります。
しかし、それにたいし働き方が異なる複数の抗がん剤を治療の開始時から十分に使用し「交叉耐性」の少ないものを選択したりするようです。

抗がん剤の使用方法は、患者の状態に最適な治療法が選択されます。使い方の選択はどの抗がん剤を使うのかと同じくらい重要だといわれています。
多剤併用法、生化学的調節法、集学的治療、局所投与法、超大量化学療法など いろいろな投与法がおこなわれています。それぞれの方法にはすばらしい特徴があり、現代西洋医学における日々進歩がうかがえます。

がんの予防法について

ガンを予防することはとても大切なことなので、国立がんセンターはがんの予防効果の期待できる12か条を提唱していますので確認しておきましょう。 

がんを防ぐための12か条(国立がんセンター推奨)
  1. バランスのとれた栄養をとる。
  2. 毎日変化のある食生活をする。
  3. 食べすぎを避け、脂肪は控えめにする。
  4. お酒はほどほどにする。
  5. たばこは吸わないようにする。
  6. 適量のビタミンと繊維質のものを多くとる。
  7. 塩辛いものは少なめに、熱いものは冷ましてから食べる。
  8. こげた部分は避ける。
  9. カビの生えた物には注意する。
  10. 日光に当たり過ぎない。
  11. 適度にスポーツをする。
  12. 体を清潔にする。

以上は、日頃から私達自身の日常生活で注意して行かなければならないところです。
がんは生活習慣病のひとつとわれていますから、予防のために現在の生活習慣全般を見直すことが必要です。
まず、

  • 過食を控え、肥満気味の人は体重を減らすように努力する。
     
  • 抗酸化作用のあるビタミンA、ビタミンC、ビタミンEを豊かに含む緑黄野菜、果物(パイナップルなど)、緑茶は意識してとる。
     
  • 多くの種類をバランスよく取る。食べすぎには注意して腹8分目におさえる。
     
  • 運動をすることで筋肉をほぐし体の滞りをなくし、ストレスを解消するリラクゼーションを自分に与える。
東洋医学的には次のような方法があります。

二千年前の中医学の古典「黄帝内経」には骨瘤、肉瘤、筋瘤など腫瘤が分類されています。

中医学の食養生では

「医食同源」・「薬食同源」というように、毎日の食事について考えることはとても大切な事です。

中医学では本来は食物にも漢方薬と同様に五味(酸・苦・甘・辛・塩辛い)や五性(寒・涼・平・温・熱)、五臓六腑の帰経があるのでそれを考慮して、効能を考えて、食事療法に利用します。

中医学で食事を考える時は、弁証によって病気のタイプ(証)を分類し、がんの種類によっても証が異なってきますので、それに合わせた食事療法を考えていきます。

例)胃癌の弁証分類( 薬膳療法の参考として )
肝気犯胃証 疏肝理気・胃気降逆 だいこん、セロリ、にら、ジャスミン、莱服子、陳皮など
火胃陽虚証 健脾益胃・補陽 キャベツ、じゃがいも、にんじん、やまいも、大豆、なつめ、蓮肉、冬虫夏草など
お毒内阻証 清熱・活血化お れんこん、丹参、田七、桃仁、山査子など
痰湿内結証 去湿化痰 はとむぎ、あずき、とうもろこし、かぼちゃ、しいたけ、茯苓、猪苓、じゅんさいなど

その体調を弁証分類して料理、粥、スープなどを工夫してゆきます。

鍼灸による利用法

中国では、多くの臨床実践と実験結果から、すぐれた鎮痛作用や嘔吐を止める作用があり、臓腑の機能を整え、免疫力をたかめ、がんに対する抵抗力を増強する作用があること等が解ってきています。単独で用いるよりは、がんの総合治療とにおいては補助的な手段として、薬物療法や手術と組み合わせて行うほうが良いと言われているようです。

中医学的弁証により証が決定できれば、針灸経絡治療と漢方薬(中医薬)療法を併用も可能になります。按摩マッサージなども中医経絡理論にのっとって行うと、とても効果的です。 上手に併用することで相乗効果も期待できると思われます。

漢方薬による利用法

多くの漢方薬(中医薬)があります。単品で使用する事もできますが、複雑な体調を中医学理論で弁証分類し複数の生薬のそれぞれの効能をいかして方剤を選択してゆきます。その体調を分析し証を決定し、それに合う方剤を選択するのです。

抗腫瘤薬には(参考文献:漢方のくすりの事典、医歯薬出版)
軟堅・散結 海蛤殻・海藻・海浮石・夏枯草・瓦楞子・玄参・昆布・貝母・別甲・芒硝・牡蛎・・
消チョウカ 莪朮・瓦楞子・三稜・水蛭・しゃ虫・蟾酥・桃仁・虻虫・・
抗癌 訶子・莪朮・カ楼根・山豆根・梅寄生・藤瘤・馬銭子・ヨク苡仁・菱実・・

などがありますが、中医学では上記生薬も弁証により、その時の症状に合わせた漢方処方(下記表)に併用などをします。

※ 注目すべき利点として
  1. 西洋医学の抗がん剤による副作用である貧血、造血障害などを軽減するなど、漢方薬を併用することで効果的であったという報告もあります。 治療を西洋医学のみ、東洋医学のみにたよらず両方の良さを利用するという東洋医学と西洋医学を融合をする注目すべき方法がある。
  2. 西洋薬の抗がん剤の効き目を上げるために漢方薬(おけつ剤)を併用すると硬いがん細胞に抗がん剤成分が浸透しやすくなるという報告もあります。
  3. 東洋医学的には補いながらも、瀉下して排便をうながし、体内毒素を排泄させる方法もあります。

西洋医学が主流の医学にはこの東洋医学による効果的療法の情報がまだ不足している傾向を感じます。今後は双方の利点を生かした治療法がさらに注目されていくことでしょう。

中医学弁証法の分類例
肝鬱気滯証 疏肝解鬱 柴胡、香附子、欝金、青皮、夏枯草、川楝子、橘葉、など
胃気上逆証 和胃降逆 旋夏花、代赭石、枳殻、木香、半夏、厚朴、仏手、沈香、柿蒂、など
気滯血お証 理気、活血化お 丹参、川キュウ、桃仁、紅花、赤芍、莪朮、乳香、没薬
脾虚痰湿証 養陰清熱 人参、党参、黄耆、茯苓、白朮、蒼朮、厚朴、猪苓、沢瀉
陰虚内熱証 養陰清熱 北沙参、南沙参、ぢおう、天門冬、麦門冬、石斛、玄参、天花粉、など
毒熱蘊結証 清熱解毒 金銀花、連翹、蒲公英、野菊花、大青葉、板藍根、白花蛇草、など
気血両虚証 気血双補 補気薬: 人参、黄耆、白朮、茯苓
補血薬: 当帰、熟地黄、白芍、何首烏、阿膠
補肝腎薬: 山茱萸、杜仲、枸杞子、など

その他に、姫マツタケ、霊芝、女島こぶ、ヤマブシタケ、などのキノコ類は癌の発生を抑制するβーグルカンの含有量が多いともいわれています。気と血を補う作用があり、白血球を増加させ、T細胞(リンパ球の一種)を活性化させて、免疫力を高め癌の発生を抑制するのではないかともいわれています。

冬虫夏草
もキノコの一種です。コウモリガなどの幼虫に菌が寄生したものですが、その中のいくつかの多糖類が免疫力を強化するのではないかといわれています。

黄耆
という生薬はマウスの実験ですが、T細胞の前駆細胞(T細胞の前の段階の細胞)が脾臓で増加してゆきます。T細胞はがん細胞の表面に出来ている抗原に反応し、がん細胞を破壊するといわれています。

人参
は、血液中の白血球、赤血球、ヘモグロビンを増加させ、放射線による造血系統への損傷を軽減させ、白血球のマクロファ−ジや好中球などの食細胞(異物を食べて排除する細胞)を増加させ、がんの発生を抑制することがわかっているようです。

深海ザメの肝油
はスクワラミンという成分が、がん細胞の血管新生を阻害することで癌の増殖を抑えてしまうのではないかという報告があります。

現代では、このようにある種の生薬には癌の発生を抑制する可能性があることがわかってきました。
又、中医学的に体調を弁証し生薬をそこに合わすことで不調な体の調和をはかることは、その調和がとれることで、本来の人間の持ってる 自然治癒力 が最大に発揮されるものとも考えられます。

しかし、ここで、注意しておかなければならない事は、あくまでも、このような情報として研究・報告があるということで、必ず治るということではないということです。まずは補助的な手段としての方法としてとらえていくことが良いと思われます。

西洋医学の良さを理解し、また東洋医学の良さを理解することで、双方の利点を生かし欠点を補い合うという考え方が出てきているのも事実です。米国では、国家予算として 2005年には相補・代替医療センターへ、代替医療(伝統医学など)をふまうた研究予算が約130億円(121.3万ドル)つぎ込まれており、研究が進められています。 欧米では、代替医療から補元・代替医療(CAM)へ、それと現代医療を統合した統合医療、さらにはComprehensive medicine(総合医療)が確立されようとしています。

例)胃癌の場合の漢方方剤には、症状により、以下のように分類されます。
大柴胡湯:
便秘がちで舌の苔が黄色の人で、胃に熱感があり、口臭や便秘ぎみ、胸部から脇、腹部にかけて緊張感(胸脇苦満)があり、首や肩も凝りがひどい場合などに適している。

黄連解毒湯:
胃に熱感があり、口が苦い人に、のぼせを伴ない、気分が落ち着かず、イライラするという精神症状もみられる場合などにも適する。

半夏瀉心湯:
吐き気、胸やけのある場合に、胃につかえ感があり、舌苔は白い、下痢や便秘を繰り返すような人にもよく、渋り腹や残便感があるような場合に適している。

甘草瀉心湯:
お腹がゴロゴロ鳴り、胃につかえ感があり、下痢などを伴なう場合に適している。

生姜瀉心湯:
胃がつかえて、げっぷをよくし、口臭、吐き気があり、お腹がゴロゴロ鳴ることもある場合などに適している。

十全大補湯:
貧血で低血圧気味の人で、疲れ易い人に良く、術後の体力回復にも良く、造血作用、血行促進して、胃腸の働きを強め氣力体力を増強する。抗がん剤の貧血などの副作用の防止にも利用されます。

補中益気湯:
術後の体力回復し、免疫力がアップするといわれ、抗がん剤の免疫力の低下などの副作用の防止に利用されます。疲れ易く食欲がない、寝汗を伴なうなどの場合に適しています。

人参湯:
胃が冷えて、起こる下痢、吐き気、胃痛などの場合に、胃腸を温めて活発にして、消化吸収を高めます。貧血を伴なう場合にもよい。

六君子湯:
食べると下痢をする場合で、胃の中でポチャポチャと水音がしたり、お腹が冷える感じと、食欲不振、疲れやすいなどの場合に適しています。

症状によってはこれらの方剤以外もありえますのでこれらの方剤のみというわけではありませんし、癌の種類によってもかわってきます。流派によっても方剤が変わる場合があります。 

これらには 煎じ薬、エキス顆粒、エキス錠 などがあります。しかし、エキス顆粒やエキス錠は携帯、飲みやすさの利点がありますが、本来の煎じ薬や原末の成分含量が1/4量になっているという報告もあります。場合によってはエキス顆粒は弱すぎるという先生もいます。

ただし、漢方薬・漢方方剤の使用は「証」が大切なのでエキス顆粒やエキス錠でも十分に効果が期待できるという先生方もいます。このような場合にいえることは、全てのことには長短、表裏、陰陽はあるもので、それぞれの状況に適応する方法をいろいろと利用することが重要で、その調和が重要なのだと私は思っています。あらゆる物の利点を利用する総合的な思考が大切なのかと思います。

気功呼吸法による利用法

※「気功法」を用いる  ・ 「養生法」を用いる 

中国においては、気功を利用して肺がん、胃腸などの消化器系がんの治療を試みた人達がおり、その報告によれば、意念の作用によって患者の主観的能動性が発揮されたことにより、免疫力が強化され、その結果として癌細胞の増殖が抑制され、延命が可能になったと言われています。

又、その他の療法と同時に気功療法を行うと、患者の抗がん能力をたすけ、がん細胞の成長が抑制されたり、そして放射線治療や科学療法による副作用が軽減され、その科学治療が原因の有機体の損傷を修復することができるといわれています。 実際に気功を続けた結果、体質が強化されただけでなく、症状が改善し生存時間が延びた患者もいるというのです。 癌の総合的治療において気功が補助的な治療手段として多くの人に利用されています。

気功療法を受ける上での注意点は

癌の患者が気功を練習する際は、病状・体質を考慮した気功法を選ばなければならないので、気功師の指導のしたで行うようにしなければなりません。また適切な運動量を確定し偏差(気功をするうえでの副作用)が生じるのを防がなければならないのです。現在中国では医学的気功治療は中医師が行うようになっているようです。

がんの患者が総合治療を受けているときに良く行われる気功法

郭林新気功

気功師の郭林先生が腫瘍患者のためにつくった気功法です。

風呼吸法自然行功(基本)

* 予備式(松静站立 → 中丹田呼吸)    郭林気功で言う 中丹田とは 臍下の丹田のことです。

  1. 両足を肩幅に開き立ち、膝を軽く緩める。両腕は脇との間を卵ひとつ一つ分程度開けて自然にたらし、この姿勢を一分間維持します。
  2. 両手を中丹田の前にもっていき、男性は左手を女性は右手を下にして重ねて置きます。
  3. 3回呼吸したら、丹田の前で両手の甲を向かい合わせて広げて行きます。肩幅より広くひろげたら今度は掌を向かい合わせ、閉じるように丹田の前にもっていきます。

* 行功

先ず右足に重心をかけ、左足を踏み出す。踏み出す時は踵をつけてから足全体を地面につけます。
→左足全体に重心を移しながら →右足を踏み出し、→交互に踏み出しながら前進して行きます。

手は右足に重心を移すときに、右手が中丹田の前へ、左手は左体側へ、左足に重心を移すときは、左手が中丹田の前へ、右手は右体側へと移動する。

* 呼吸

鼻で、2吸 1呼 (吸→ 吸→ 呼)  発音呼吸(風呼吸)
片方の足が地面に着くときにすぐに連続して二回吸う、もう一方の足が前に出て地面に着くとき一回息を吐く。

動作は文章では説明しずらいので、直接の指導を受けるほうが解り易いでしょう。

内養功

劉貴珍先生が前人の経験を継承し、これに自分の実践を結びつけて纏め上げたもので、50年代以降ね唐山気功療養院で広く応用されて各地に広まった。 肺と脾の機能を調整し、呼吸器系と消化器系の疾患やある種の癌に優れた治療効果があり、食欲が増進、呼吸器機能が改善されると言われている。

* 姿勢は4種の形があります。

  • 側臥式(右側、左側): 横向きになって横たわる形
  • 仰臥式: 仰向けで横たわる形
  • 座式: 椅子を使いすわる形
  • 壮式: 仰臥式とおなじようですが、背首に枕や布団で25センチくらいあてがって高くします。

目は軽くとじるか、薄目をあける感じで。
臥式から初めて数日練習し体力がついてきたら徐序に座式にしてゆきます。

* 呼吸法

最初の内は腹式呼吸、停閉、舌は上顎につけるからはじめても良い。

字句を黙念する場合は、「自己静」 「自己静坐」 「自己静坐身体好」 「自己静坐身体能  健康」 ようするに、 リラックスしていて、とても健康で良好という暗示を言葉として与えるのである。 そこに呼吸のリズムを一致させて行うことです。

第一呼吸法
吸う→ 停閉(止まる)→ 吐く

第二呼吸法
吸う→ 吐く→ 止まる

* 意念

丹田意守法(へそ下の下丹田・下腹部の気海穴に意守する)
ダン中意守法(胸の両乳房の間のツボに意守する)
足趾意守法(両足の親指)に意念を集中 などがあります。

※ 多くの気功法があります。

どの気功法をとりいれたら良いのか迷う人もおおいと思います。それぞれの気功法には特徴があり、目的によっても変わるものです。
予防として用いるのであれば、一つでも行うことは良いことでしょう。
しかし、養生法、気功法のところでふれているようにその特徴である三つの要素がとても気功法には大切なのです。効果を上げるには、「調勢」「調息」「調心」を忘れないように練習することです。
臥禅、座禅、立禅、動禅、行禅、生活禅と言うように、臥、座、立、動、行、生活、自然の中で肉体と精神をバランスのとれた状態に調整し続けるということです。

もし癌の治療に効果的であったとする気功法があればそれを実践するのも良いことですが、免疫力を増すことはほとんどの気功法にはあるものですから、その時の自分の体質を専門家に見てもらい保健気功法」 として進めて行くか、医療気功法」 として弁証をもって治療していくかを分けて選択することが出来ると思います。併用し同時進行も可能ですが、無理のない形で行うことが重要でしょう。

時と場合によっては あえて「調心」や「調息」を用いないほうが良い場合もありますので、やはり 熟練した気功の専門家のアドバイスが重要でしょう。

個人差を中医理論により弁証して、現在の体調を把握する。それにあう漢方薬(中医薬)・方剤を選んで行きます。食事指導はその人の病状によりやはり、中医理論を用います。
運動と精神的な部分へのアプローチは気功法を用います。漢方薬を毎日服用してもらい、呼吸法・気功法によって心身を調整します。

気功法・呼吸法などにより、心身ともにリラックスをして自然治癒力・免疫力を高めていくことが重要です。 食事、運動、睡眠の健康の三大要素 を見直し、その運動の中に「調息」(呼吸法)と「調心」(精神のリラックス)と「調身」(肉体の形と動き・ストレッチ)などで、柔軟性を無理のないように協調して求め行く事が総合的に治療していく上でも大切なことに思います。柔軟性とは 心と体の両方の柔軟性 のことです。
人間を考える時、心身・ 総合的生命体である限りこの総合的治療を忘れてはならないでしょう。

※ 「漢方と気功で健やかライフ」の会・日吉サークル案内。
 癌の場合 医学気功の弁証によってその方に合う気功法をお伝えします。必ず「静気功法」と「動気功法」を行うことをおすすめいたします。学びや教えとして言語・映像・思考にアプローチします。心身の毒素を排除します。徹底した心身浄化のつもりで毎日行うお掃除だと思うことが大切です。

※参考「漢方と気功で健やかライフ」の会 ブログ  

※参考   2016年7月14日 第63回 九段生涯健康塾セミナー、「ライフサポートカフェ 21世紀の癌治療を考える」「がん患者と家族のための気功入門」         

※長い間、気功の専門家としてがんについて研究してきた私が伝えたい内容でもあります。第63回 九段生涯健康塾セミナーでの「がん患者と家族のための気功入門(入門編)」の内容にさらに追加している内容です。皆様のご健康を心から願っております。参考にしていただければ幸いです。
言葉・映像・思考・心のパワーを用いる 利用法。

 準備しています。
自然治癒力・自癒力を最大に高める

 準備しています。

 

 

参考文献:
ガンのすべてがわかる本(矢沢サイエンスオフィース編)
気功精選(人民 衛生出版社)
週刊 漢方ライフ・がん(総論)・胃がん(ディアゴスティーニ・ジャパン)
健康百科気になるがん最新治療法(集英社)
からだにやさしい漢方がん治療、福田一典著(主婦の友)
中医症状鑑別診断学(人民衛星出版)
がんの漢方療法 希望の光と力の源 沈徳恵・呉秀芬編著・張代剣監修(ベースボールマガジン社)
ひとりでできる健康気功、趙宝峰著(日本気功協会、日東書院)
気功の基礎入門、柴剣宇著(日本気功協会、日東書院)
中国気功学、馬済人著(東洋学術出版社)
中医食療方、瀬尾港二・宗形明子・稲田恵子著(東洋学術出版社)
漢方のくすりの事典、鈴木洋著(医歯薬出版)
代替医療と統合医療とイエローページ、富山県国際伝統医学センター上馬場和夫著(河出書房新社)

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